風向きは大事です。
先日、米国ダラス(テキサス州)で開催された米国胸部会議(ATS)に参加してきました。往路は東京から乗り継ぎのシアトルまで8時間半、復路は乗り継ぎのサンディエゴから11時間かかりました。同じ日本~米国西海岸でもずいぶんと所要時間に差があるものです。ご存知の方も多いと思いますが、航空機は「風」に大きく影響を受ける乗り物です。みなさんの中にも、ハワイ旅行の際にホノルル行きはわずか6時間半で着くのに復路は日本まで8時間半もかかってしまい「なんでやねん!」とお感じになられた人もおられるのではないかと思います。上空には西から東に向かって風が吹いていますので、日本からハワイへの往路は追い風、ハワイから日本への復路は向かい風となるわけでその影響は大きな所要時間の差となって体感されます。実はアレルギー疾患においても、「風向き」は思った以上に重要な因子として日常臨床に絡んできます。今日はそんなお話しです。
続きを読む文法は完璧なのに・・・
かつて私が留学していたインペリアルカレッジロンドンには、国内外から学生・大学院生・研究者など様々な職種の人々が集っておりました。その中にはもちろん日本人研究者もおりましたが、彼らの留学中の目標のひとつが「英語の論文を書いて帰りたい」というものでした。国内にいたころにはせっかく投稿してもすぐにリジェクトされてしまってばかりいたので、ここ留学先から投稿すれば掲載される可能性も大幅アップかも…と思ってしまうのは否めません。実際、留学先で大きな業績を挙げてから帰国後に教授になられた先生方も多々おられるのであながち眉唾ともいえないのではないかと思います。そんな中、「何故日本人の投稿する英語論文はなかなか採択されないのか」という普遍的疑問に思わず答えを出す出来事がありました。今日はそれをお話ししますね。
続きを読む