同愛記念病院アレルギー呼吸器科のブログ

スタッフ4名+医局秘書1名+部長1名で日々楽しく頑張っています。 大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。 後期研修希望者や(現在ほかの病院に勤務されている先生の)期間限定の国内留学のお問い合わせも受け付けております。アレルギー呼吸器以外の御専門の先生でも歓迎いたします。ご興味のある方は allergy6700@yahoo.co.jp までご連絡ください。 <p>☞<a href="https://www.allergy-doai.jp/"target="_blank

情報インプットと発掘戦艦

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サンディエゴ・エンバーカデロマリーナパーク(写真と記事はあまり関係ありません)

医師という商売幅広いものでして、みなさんが想像する病院・医院臨床医のみならず、大学教官・研究者・医療行政などさまざまな業種くことができます。もちろん大多数先生方は、臨床医もしくは大学のスタッフにしていることといます。どちらに所属していても、最近先生方非常勉強熱心色々なメディアから十分質・量情報取得しておられるようです。ネット普及前時代たちオルド世代にとって、情報へのアクセスが容易現代社ましくじることもあります。ただ、どうしても「これでいいのかな?」とすっきりしないことが存在することも事実です。今回はそんなおしです。

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けがの功名

「内科医のメス」ともいわれる処方薬、医師の腕の見せ所であるとともに患者さんにとっては不快な臨床症状とサヨナラできる決定打となりうる存在かと思います。しかしながら、ときに運悪くその処方薬で副作用が起きてしまうこともあります。慎重に治験が重ねられ、そのうえで厚生労働省に認可されて発売される薬剤ですが、どうしてもある程度の頻度で副作用が出てしまうのは否めません。そんな中で、本来は忌み嫌われるはずの副作用に思わぬ効用が生じることがあります。今回はそんなお話しです。

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風向きは大事です。

先日、米国ダラス(テキサス州)で開催された米国胸部会議(ATS)に参加してきました。往路は東京から乗り継ぎのシアトルまで8時間半、復路は乗り継ぎのサンディエゴから11時間かかりました。同じ日本~米国西海岸でもずいぶんと所要時間に差があるものです。ご存知の方も多いと思いますが、航空機は「風」に大きく影響を受ける乗り物です。みなさんの中にも、ハワイ旅行の際にホノルル行きはわずか6時間半で着くのに復路は日本まで8時間半もかかってしまい「なんでやねん!」とお感じになられた人もおられるのではないかと思います。上空には西から東に向かって風が吹いていますので、日本からハワイへの往路は追い風、ハワイから日本への復路は向かい風となるわけでその影響は大きな所要時間の差となって体感されます。実はアレルギー疾患においても、「風向き」は思った以上に重要な因子として日常臨床に絡んできます。今日はそんなお話しです。

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治った、治ったよ。

今年の春、重症喘息患者を対象として新規分子標的薬であるデュピクセント™(一般名:デュピルマブ)が保険適応になりました。本薬剤はアレルギー性のサイトカインであるIL-4とIL-13を同時に抑制できる画期的な薬剤で、本邦ではすでにアトピー性皮膚炎の保険適応が認められています。今回は、このアトピー性皮膚炎にまつわるお話しです。

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文法は完璧なのに・・・

かつて私が留学していたインペリアルカレッジロンドンには、国内外から学生・大学院生・研究者など様々な職種の人々が集っておりました。その中にはもちろん日本人研究者もおりましたが、彼らの留学中の目標のひとつが「英語の論文を書いて帰りたい」というものでした。国内にいたころにはせっかく投稿してもすぐにリジェクトされてしまってばかりいたので、ここ留学先から投稿すれば掲載される可能性も大幅アップかも…と思ってしまうのは否めません。実際、留学先で大きな業績を挙げてから帰国後に教授になられた先生方も多々おられるのであながち眉唾ともいえないのではないかと思います。そんな中、「何故日本人の投稿する英語論文はなかなか採択されないのか」という普遍的疑問に思わず答えを出す出来事がありました。今日はそれをお話ししますね。

 

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