同愛記念病院アレルギー呼吸器科のブログ

スタッフ4名+医局秘書1名+部長1名で日々楽しく頑張っています。 大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。 後期研修希望者や(現在ほかの病院に勤務されている先生の)期間限定の国内留学のお問い合わせも受け付けております。アレルギー呼吸器以外の御専門の先生でも歓迎いたします。ご興味のある方は allergy6700@yahoo.co.jp までご連絡ください。 <p>☞<a href="https://www.allergy-doai.jp/"target="_blank

やる気にはムラがある。

しばらくブログの更新がなかったので、ここのブログマスターに何かあったのではと心配していただいた読者がおられましたらこの場を借りてお詫び申し上げます。7月から8月上旬にかけては赴任以来のヤバい多忙さでなかなか更新ができない状況でした。ようやく一息つきましたので、久しぶりにまたつらつらと書かせていただいております。

どうしてそんなに多忙だったのかというと、それは講演が多数あったからなのですが、当然ながら講演を行うにあたりスライドセットが必ず必要になります。もし持参し忘れるとマイクを持っている都合上、代わりに壇上で歌でも歌わなければいけなくなるので(笑)事前にしっかり準備してUSBフラッシュディスクと自分へのメール添付・送信で二重バックアップして臨みます。スライド作成は本当に大変手間と労力がかかる作業です。相当なエネルギーとやる気がないと仕上がりません。一日外来三昧で疲れ果ててからPCに向かっても、使い切った電池のごとく頭からは何も出てきません。そんな中でもなんとか講演スケジュールを無事にこなせたのには、実は秘密があります。今日はそんなお話しです。

 そもそも私たちが何事かを成し遂げようとするときに、その目標に向かってコンスタントに作業を進めて完成させることは可能でしょうか?自分自身の経験からも、学校の試験前には「勉強しなくちゃ」という思いだけはあるのですが、やる気も気力もなく無為に時間が過ぎて行くことが多かったように思います。その最大の理由は勿論私がぐうたらだからなのですが、そもそも当時の教師や両親が言うように毎日毎日機械のようにコンスタントに勉学に励めるものなのでしょうか?語弊を恐れずここに記させていただきますと、「何かひとつのことを成し遂げるのに進む道のりを、人はコンスタントに進むことはない」と思うのです。これまでの拙い私の経験でも、これだけはたぶん真実のようなのです。

安請け合いした講演のスライドを講演日が迫り焦って作る際にも、PCの前でうんうんとうなるだけでほとんど何も進まない日々が無為に過ぎてゆきます。いよいよダメかと腹をくくりはじめるタイミングとなったとき、ある日ある時予想もしなかったことが起こるのです。普段通りに目覚めて普段通りに過ごした日なのに、なぜかその日だけ「なんとなく」するすると抵抗なく頭からアイディアが湧き出してきて自分でも驚くような数のスライドがどんどん仕上がってゆくのです。一体どうして…と不思議に思いつつも勝手に動く自分の手指に任せてすらすらとスライドを作成してしまい、結果として講演に間に合わせてしまいます。ここには科学的な裏付けやエビデンスは全くなく、まさに「きまぐれ」としか言いようのない謎のやる気?が突然出てくるのです。私はこの現象を、甚だ非科学的ですが、「何かが舞い降りてきた」と表現しています。大抵は翌日にはそのやる気はぐったりと勢いを失い、あの(=やる気MAXの)一日がなかったら到底間に合わなかったよなぁ…と思いつつ毎回講演当日を迎えるのです。

この不思議な現象は、都合のいいことに何故か講演当日の数日前に訪れることが多いです(なぜか間に合わなかったことはありません・笑)。ですから、確実に私自身の意識が介在しているのは間違いありません。モーツァルトの土壇場作曲のような、バスケットボール的には「ゾーンに入った」ような、これらの現象がどうして起きるのか真相は闇の中です。それでも少しだけ意見を言わせていただくと、これはおそらく脳の「意識下」で起こっている何かがその原因かもと思っています。講演日が迫ってくると、寝ても起きても(たぶん)意識下でスライドのことを無意識に考えているものと思われます。そんな中で、ある瞬間に脳内で絡まった複数の糸(=情報)が知恵の輪を解くようにするすると分離してスッキリした瞬間、大量の情報がうまく結合されて、「やる気MAX」や「ゾーン入り」するのかなぁ、と考えています。ですので、受験勉強も強いて「コンスタントに」やる必要はないのかもと思います。受験という問題意識を忘れることなく考えていれば、時々やる気MAXになることで帳尻が合うようなそんなきまぐれな学びが、生物たる人間の本来の自然な姿なのかも知れないといまさらながら思っています。

*本ブログの内容は、個々の人たちの勉学のスタイルに対して普遍的に適応するものではないことを申し添えます。

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やる気グラフ