ERS 2018のLungs on Fireレポート。もしかしてこれって僕はいらないのでは・・・
2018年9月15~19日にフランス・パリにおいて、European Respiratory Society(ERS、欧州呼吸器学会)の年次集会、ERS INTERNATIONAL CONGRESS 2018に参加してきました。
今回のメンバーは、当科から部長を含め3人で参加。ERSは初参加で、選ばれた発表形式は今年から始まったというLungs on Fireというセッション。
日本の学会では見かけたことがない発表形式に???状態。ERSのホームページを見ても、ろくな説明がない。僕の出番はあるのか不安な気持ちで日本から出国しました。
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ことの始まりは、呼吸器学会からの症例募集の案内。
日々、タイソウな臨床研究をしているわけではないのでERSに縁がないかと思っていましたが、症例報告でパリに行けるチャンスが!
とりあえず抄録を完成させ投稿。待つこと数カ月、5月中旬にERSから症例が選ばれたからパワポでスライドを送れとのメールが来ました。
一応、ERSを騙ったハゲタカジャーナルからの偽メールの可能性を考え、ERS事務局に問い合わせたら、やっぱり本当に選ばれたとのこと。
送られてきたテンプレートをまとめていると、なにやら見慣れないスライド。
症例報告のスライドにマルチョイなんて何かの間違いでしょ!無視無視。病歴、検査、治療経過、考察を英語で書いて完成~!
すこし気になったので、一応事務局に問い合わせたら、スライドはこれでOK、moderator(司会?)が問題を作るから大丈夫と。僕が聴衆の前でプレゼンをする機会があるかとの質問は華麗にスルーされ、9/16に発表だから楽しみにしてねと。
僕の心配をよそにお気楽な返事。参加してみなければ、わからんってことで現地に行ってきました。
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迎えた当日。一応、一通り喋れるように原稿を頭に入れ、スーツ姿で臨みました。
満席に近い感じで、徐々に緊張感が高まります。
僕の出番があるか司会に聞きに行くが、開演前で時間がないとのことで、着席するように促される。
プログラムでは全5症例で合計75分。1症例あたり15分。僕は1例目に予定されていました。
1例目が始まり、司会が経過をプレゼン。紹介された名前は自分ではない。これって、プログラムに書かれた順番って関係ないんか!!心の中でツッコミながら話を聞く。
所々で問題がはさまれ、携帯で投票。聴衆の投票率まで表示され、パネリストが喧々諤々の議論。さながらテレビ番組。
1症例あたり、問題は3~5問。それぞれの問題の正解は、実際の症例報告に沿った選択肢が正解となっていました。
迎えた3例目。同じく日本のS先生が紹介される。
経過のプレゼンを聞くと、どう考えても自分の症例。あれ・・・名前間違えられている。同じ日本人でも名前は違いますよ。
こんなこともあるんだなーと呑気に話を聞く。結局、僕は一言もしゃべらずに症例が終わりました。
僕の症例は漢方薬の温清飲による薬剤性肺炎の一例。温清飲の構成成分別のDLSTの結果を詳細に検討した報告でした。パネリストの海外の先生からはDLSTはやったこともないし、よくわからない検査だねと一蹴されてしました。しかし、、、1名だけDLSTに詳しいパネリストの先生がいて貴重な報告だよと肯定的なコメントがいただけました。
終わってから同じ日本人のS先生に話を聞くと、S先生も僕と同様にマルチョイの問題は作っていなかったと仰っていました。S先生のスライドは大幅に改変されていたと言っていましたが、僕のスライドはご丁寧に誤字もそのままで使われていました。
フランスの街並みは綺麗でしたよ。終わり。